オカリナについて

オカリナのお手入れについて

​※オカリナは、食器のような焼き物ではありません

オカリナのお手入れで、最初にお伝えしたいのは、オカリナを食器と同じ感覚で扱ってはいけないということです。

焼き物と聞くと、多くの方は茶碗や湯呑み、お皿のようなものを思い浮かべます。使い終わったら水で洗い、洗剤で汚れを落とし、布巾で拭く——これが食器のお手入れです。

けれど、オカリナはこれをやると、かえって楽器を傷めることになります。見た目は同じ焼き物でも、構造も仕上げも、食器とは全く違うのです。

表面の仕上げが違う

食器の焼き物は、ほとんどの場合、釉薬で仕上げられています。高温で焼くことで釉薬がガラス質に変化し、表面を覆う。これによって食器は、水を吸わず、洗剤にも耐え、何度でも洗うことができます。

オカリナの表面の多くは、釉薬ではなく塗装で仕上げられています。日本のオカリナで最も多いのはウレタン塗装で、高級品では漆仕上げのものもあります。表面が素焼きのままのオカリナもあります。

厳密に言えば、メーカーやオカリナ作家さんによって仕上げが違いますので、お手入れも仕上げごとにそれぞれです。ご自身のオカリナの仕上げが分かっている方は、その仕上げに合わせたお手入れをするのがいちばんです。

ただ、基本的には、水に浸け込むのは厳禁と考えてください。仕上げの細かい違いがあっても、「水に浸けない」という原則だけ守っておけば、まず大きな失敗はありません。

内側は素焼きのまま

そして、これが多くの方が見落とす点なのですが——オカリナは、表面が塗装されているオカリナであっても、内側は素焼きのままの状態です

素焼きは多孔質で、水を吸い込みます。オカリナを水に浸け込むと、内部の素焼き部分が水を吸って、乾くのに相当な時間がかかります。場合によっては、内部が完全に乾かないまま湿気がこもり、カビが生えてしまうことも。

これは楽器の音にも影響します。濡れた状態のオカリナは、音色が曇り、音程も不安定になります。

だから大原則として、オカリナは水で洗わない。これが基本です。

吹き口はウェットティッシュで軽く拭く

吹き口のお手入れ 吹き口は唇に触れる部分なので、衛生面が気になる方も多いと思います。 体験レッスンで楽器を貸し借りする時、共有で吹く時、人前で演奏する時など、 サッと清潔にしておきたい場面はよくあります。

ウェットティッシュ(除菌タイプ)で吹き口の表面を軽く拭くのは、管楽器全般でよく行われているお手入れで、オカリナでも問題ありません。

ただし、楽器全体を何度も繰り返しゴシゴシ拭き続けたりすると、 塗装の劣化につながる場合があります。あくまで「吹き口の表面だけ、軽く」 という使い方にとどめるのが安心です。

最近であれば、そのまま楽器をアルコールで拭いて消毒することを考える方もいらっしゃるかもしれません。けれど、オカリナの場合、エタノール消毒は基本的にお勧めできません

仕上げの種類によっては、塗装面が曇ったり、塗膜が溶けてしまったりすることがあります。素焼きの部分にアルコールが染み込むと、匂いが残って、演奏中に気になることも。

多くの奏者は、自分のオカリナの仕上げが何なのか、正確には分からないものです。「ウレタンだろう」と思っていたら違った、ということもある。そうした不確かさの中で、アルコールで拭くというリスクを背負う必要はありません。

日々のお手入れは、乾いた柔らかい布で拭き取るだけで十分です。

では、どうやってお手入れするか

日々のお手入れは、実はとても簡単です。

演奏が終わったら、柔らかい乾いた布で、外側を軽く拭く。これだけ。手の脂や息の湿気を、そっと取ってあげる程度で十分です。

演奏中に内部に水分がたまって音が詰まってきたら、吹き口から強く息を吹き込んで水気を飛ばすか、軽く吸って水気を取る。しばらく風通しの良い場所に置いて、内部の水分を自然に蒸発させるのも良い方法です。

水で洗いたくなる場面があるかもしれませんが、そこをぐっと堪えて、乾拭きで済ませる。これがオカリナを長持ちさせるコツです。

保管の注意

  • 直射日光の当たる場所を避ける(塗装が劣化します)

  • 極端な温度差を避ける(冬場、暖かい室内から冷えた外へ、など)

  • 高温多湿を避ける(内部にカビが生える原因に)

  • 専用のケースに入れて、平らな安定した場所へ

もし割ってしまったら

陶器のオカリナは、落とすと割れます。ここはどうしても避けられない現実です。

でも、割ってしまっても諦めないでください

意外に思われるかもしれませんが、割れたオカリナはメーカーや作り手に相談すると、直せることが少なくありません。完全に元通りとまではいかなくても、演奏できる状態まで修復できることも多いのです。

そのために大事なのは、割れたパーツを捨てないこと。破片が大きく残っていれば残っているほど、修復の可能性は高くなります。床に落として割れてしまった時も、慌てて捨てずに、小さな欠片まで全部拾って、袋に入れて保管してください

そして、できるだけ早めに、購入したお店か、楽器を作ったメーカーに連絡する。修復できるかどうか、どのくらいの費用がかかるかは、パーツの状態を見てみないと分からない部分があります。

大事なオカリナなら、なおのこと。一度相談してみる価値は、必ずあります。

2026/05/12   オカリナもも
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